脱炭素社会への貢献

脱炭素社会の実現は、持続可能な社会の発展のための重要な課題です。新菱冷熱は、2050年カーボンニュートラル、2030年に温室効果ガス排出量を2009年比で50%削減する目標を定め事業活動からの温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。

事業活動と温室効果ガス排出イメージ

新菱冷熱は、スコープ1、2および3の温室効果ガス排出量の算定により、環境に影響を与えるホットスポットを特定し、温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいます。

新菱冷熱におけるサプライチェーンマネジメントのイメージ

スコープ1、2、3の算定

2021年度の排出量は、8,340千t-CO2で、スコープ3カテゴリ11「販売した製品の使用」が最も多くなっています。施工段階だけでなく、ライフサイクル全般を通して温室効果ガス排出抑制に貢献するため、お客様への提案活動や施工現場での生産性向上活動など、さまざまな取り組みを積極的に行っています。

2021年度におけるスコープ1、2、3の算定結果

温室効果ガス排出量削減の取り組み

スコープ1および2の削減

新菱冷熱はこれまでも、脱炭素化、省エネルギー化に力を入れてきました。2011年には旧本社ビルにおいて大規模省エネ改修工事「省エネECO化プロジェクト」を実施し、2020年に建設した新菱神城ビルでは脱炭素技術を多数導入しています。イノベーションハブでの再構築計画では、2030年「研究開発活動からの温室効果ガス排出量実質ゼロ」を実現するため、新本館には、新菱冷熱の得意技術や開発品を活用した最新の空調システムの導入を予定するほか、敷地内にある既存のエネルギーセンター内の熱源機器の大幅な省エネルギー化を目指し、熱源システムを刷新する改修工事を計画しています。

さらに、オフィスワークにおいては、働き方改革の一環として進めている業務のデジタル化、ハンコレス・ペーパーレスの推進、オンライン会議の活用、業務フローの見直しによる生産性向上などの活動を通して、省資源や省エネルギーに取り組んでいます。

スコープ1、2の削減率30%(目標 2030年50%削減、2050年実質0)

スコープ1、2のCO2排出量推移(2009年度以降排出分)

スコープ3(カテゴリ1、4)の削減

現場の生産性向上によって、施工現場における製品・資機材の調達量の削減を進める取り組みを行っています。
手戻り工事の削減、工場加工等による施工生産性の向上、ICT技術を駆使した効率の良い現場管理の実現によって、施工時のCO2排出量削減を推進しています。

CO2排出量削減率26%

取り組み事例:ウェアラブルカメラによる現場の遠隔監視

ウェアラブルカメラやスマートフォンなどで撮影した施工現場の映像を、熟練技術者が事務所などの遠隔地から確認し、作業手順の指示や現場状況の確認などを行っています。これにより、移動時間の削減だけでなく、的確な指示を適時に行うことができ、業務の効率化を図ることができています。

取り組み事例:「施工図描画ロボット」の開発

BIMデータ*1から抽出した施工情報を用いて、機器の据え付け位置や、配管・ダクトのルート等を、床面に完全自動で描画する「施工図描画ロボット」を開発しました。オペレーターによる操作・監視が不要で、従来、手作業で行っていた墨出しが不要となるとともに、配管・ダクトの取り付け作業の省力化により10%以上の工数削減*2が期待でき、労働生産性が格段に向上するものと見込んでいます。
*1 BIMデータ:BIM(Building Information Modeling)の各部材に関するさまざまな属性データ
*2 当社の施工現場における検証実験にもとづく数値

施工図描画ロボット
施工図描画ロボット

スコープ3(カテゴリ5)の削減

建設現場における産業廃棄物のうち、主要な4品目(コンクリートがら、金属くず、廃プラスチック類、ガラス陶磁器くず)のリサイクルを推進しています。
マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルなどの技術に優れた産業廃棄物処分業者や再生事業者に委託することで、再資源化を推進しています。

リサイクル率90%

産業廃棄物排出量・リサイクル率

スコープ3(カテゴリ11)の削減

建築設備の運用に伴うCO2排出量を削減するため、営業・設計担当者からお客様に省エネルギーに有効な提案を積極的に行っています。エネルギー削減効果の高い設備の導入や業界トップクラスの技術と実績を誇るCFD技術による気流・温度分布シミュレーションによる改善など、最も効果的な提案ができるよう取り組んでいます。
* CFD:Computational Fluid Dynamics

設計提案実施率100%(目標100%)

設計提案の実施率

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