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2017.12.123Dレーザースキャナの計測支援技術を開発
~計測の効率化と精度向上を図ったスキャナ配置計画を自動作成~

当社は、北海道大学の金井理教授 (大学院情報科学研究科) と共同で、「3Dレーザースキャナ配置計画支援ソフトウェア」 (以下、本技術) を開発しました。

3Dレーザースキャナは、既存の建物や配管設備、機器類などの形状を点群データ化する計測器です。近年の建設業界においてBIM活用が進む中、現場の現状把握や既存施設の図面化に利用され、急速に普及しています。当社でも2012年から運用を開始し、現在までに100現場以上の実績があります。
従来、3Dレーザースキャナは、機器の裏側などレーザーが直接照射されない部分は計測できないため、一般的に複数個所へスキャナを設置して計測しますが、計測漏れを防ぐために計測箇所数が冗長となり、計測データが膨大となる傾向がありました。その上、計測には建築設備の知識と計測ノウハウが必要であったため、対応できる技術者が限られており、3Dレーザースキャナの充分な活用ができていませんでした。
改修工事で使用する場合は、計測対象の部位によって工事上の重要度が異なるため、重要度に応じた精度のデータを取得するのが効率的です。例えば、冷凍機の入れ替え工事では、新しい配管と既設配管の継ぎ手部分などの取り合い箇所や、冷凍機・配管の周辺部分は重要度が高いのですが、それ以外は計測する必要がありません。
そこで当社は、計測目的に応じユーザーが重要な部分を指定するだけで、スキャナの配置場所を自動で計画する技術を開発しました。これにより、200m2程度の熱源機械室の機器入れ替え工事に本技術を適用した場合、従来作業より短い1時間程度の計算時間で、精度の高い計画を誰もが簡単に作成できるようになりました。

なお、スキャナの配置計画作成の流れは以下のとおりです。

【「スキャナ配置計画」作成の流れ】

  1. 事前の現地調査で、レーザースキャニングする対象設備を写真撮影し簡易的な3Dモデルを作成
  2. 3Dモデル上で、重要度が高い順に3段階 (高・中・低) で、計測重要度を指定 (図-1、2)
  3. 指定したデータを、本技術で解析
  4. 計測重要度により、最も効率的なレーザースキャナの設置場所を自動計画 (図-3)

今後は、改修工事において本技術を全面的に活用することで、施工品質の向上と業務効率化による工期短縮を実現していきます。


  • 図-1 簡易3Dモデルを利用した計測重要度の指定 (指定の流れ)

  • 図-2 簡易3Dモデルを利用した計測重要度の指定 (指定結果)

  • 図-3 スキャナ配置計画 (平面図 が自動で計画された設置場所)

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