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2020.8.24少風量でも室内のすみずみに新鮮外気を届ける
~変風量コアンダ空調システムを実導入~
新菱冷熱工業株式会社
株式会社三菱地所設計
新菱冷熱工業株式会社と株式会社三菱地所設計は、東京都千代田区「新菱神城ビル※1」の建設にあたり、「変風量コアンダ空調システム(特許第6453951号)」を初導入しました。
コアンダ空調とは、空気が天井を這うように流れるコアンダ効果を利用し、ダクトレスで空調空気を運ぶ空調方式です。今回、新菱神城ビルに変風量コアンダ空調システムを導入することにより、高い天井高を確保しつつ、室全体の換気効率を上げることを可能にし、より快適で省エネルギーなオフィス空間を実現しました。
●特長1 少風量でも室内のすみずみに新鮮外気を届ける優れた換気効率
変風量コアンダ空調システムは、自律式風速一定器具「Air-Soarer(エア-ソアラー)※2」を用いることで、空調機の吹き出し風量の増減にかかわらず、一定の吹き出し風速を維持することができ、従来の定風量コアンダ空調システムでは困難であった少風量時でも遠方まで新鮮外気を届けることを可能にしました。換気に優れた性能を発揮し、昨今のウイルス感染対策としての換気の重要性の高まりに応える空調システムです。
●特長2 搬送動力を65%削減する省エネルギー性能
変風量コアンダ空調システムは、省エネルギー性に優れた点も大きな特長です。従来の定風量ダクト空調と比較し、搬送動力を約65%削減することが可能です。
●特長3 ダクトレスで天井高を高くできる
ダクトレスのため、従来のダクト搬送方式と比べて天井内のダクトスペースが不要になり、その分、天井高を高くすることが可能です。
※1東京都千代田区神田多町2-9-2 新菱神城ビル(2020年7月竣工)
※2変風量コアンダ空調システムを実現する「Air-Soarer」を共同開発(2019年4月3日リリース)
「Air-Soarer」は、(株)三菱地所設計、新菱冷熱工業(株)、(学)芝浦工業大学、協立エアテック(株)の共同開発品 https://www.shinryo.com/news/20190404.html
図1 新菱神城ビル外観
図2 自律式風速一定器具「Air-Soarer」を使用した変風量コアンダ空調システム
(新菱神城ビル)図3 高い天井高、優れた換気性能、省エネを実現する変風量コアンダ空調システム
図4 ダクト空調方式と変風量コアンダ空調システムの違い
図5 搬送動力の比較
<各社の役割>
新菱冷熱工業株式会社(施主・施工者)
- 変風量コアンダ空調システムの効果予測と検証
- 新菱神城ビルでの施工
株式会社三菱地所設計(設計者)
- 変風量コアンダ空調システムの考案
- 製作、検証全体のオーガナイザー