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2024.3.6イノベーションハブ本館オープン
~多様性時代の空調へ~

当社は、新しい価値を創出するプラットフォームとなるイノベーションハブ本館(茨城県つくば市)を3月5日にオープンし、オープンセレモニーを開催しました。オープンセレモニーには、ご招待した茨城県とつくば市の皆様、本館に導入した新開発技術についてコラボレーションする5大学7名の教授・准教授、㈱三菱地所設計様にご参列いただきました。

当社は、1990年茨城県つくば市に中央研究所を開設した後、環境をテーマに基礎研究から応用開発へと技術を発展させてきました。2022年には中央研究所を「イノベーションハブ」に改称し、社会情勢の変化や技術革新のスピードに対応し、オープンイノベーションを推進するため、企業・大学とのコラボレーションの場、技術や知恵を有するイノベーションの主役が集う場として再構築しました。そしてこのたび、イノベーションハブの活動のプラットフォームとなる本館がオープンし、本格運用がスタートします。

本館には、光・温湿度・空調方式を組み合わせたさまざまな空間・環境がつくられ、個々人が好みの環境を選べる工夫を施しています。空調の力でハイパフォーマンスなオフィスへ。イマジネーションと新しい価値の創出を促す、多様性時代の空調を実現しました。

オープンセレモニー テープカット

二列目左から、阿部、赤司泰義教授、田辺新一教授、秋元孝之教授、前田、野部達夫教授、植田
前列左から、石田航星准教授、富樫英介教授、中野淳太教授

●環境グラデーションと新しい価値を生み出す空調
イノベーションハブ本館では、建築・空調の視点で、さまざまな体感のワークプレイス・ディスカッションスペースをつくり、働く場所を自由に選べるABW(Activity Based Working)に、バリエーション豊富な環境(environment)をプラスしたABW+eを実現しています。
本館には、屋外と屋内の間に半屋外空間を設け、空間ごとの空調制御方式によっていろいろな空間・環境をつくることで、屋外から屋内へグラデーションのようにつながる「環境グラデーション」を形成しています。そして、4つの空調方式、「4Dミニエン空調」「変風量コアンダ空調」「対流空調」「放射空調」を用いて体感の異なる環境をつくり、ABW+eを促進することで、イマジネーションと新しい価値を生み出す空間を形成しています。
イノベーションハブ本館は『ZEB』を実現し「BELS最高ランク★★★★★」を獲得したほか、「CASBEE-ウェルネスオフィス★★★★★ Sランク」も獲得しています。また、本館の空調には、新しく開発した脱炭素技術を多数導入し、省エネルギーで多様な環境を実現する工夫をしています。

さまざまな体感のワークプレイスとコラボレーションエリア

イノベーションハブ本館のさまざまな環境

イノベーションハブ本館に導入した新技術

●本館に導入した新技術
・3管式ダイナミックレンジ熱源システム
除湿用と冷却用の冷凍機を連結し3管式にした熱源システムです。熱負荷や外気の変動に応じて、熱源システムが最高効率になるよう設定温度や流量の最適制御を行うことで、省エネルギー化を図ります。表計算ソフトと連携して設定温度や流量を制御するシステムを開発し、最高効率を実現します。

・4Dミニエン空調
床放射空調と床吹出空調を組み合わせた、局所環境(ミニエン)を形成する技術です。少ない温度ムラ・ドラフト感で外皮負荷や照明発熱などの処理に向いている床放射空調、気流による清涼感があり空気温度変更への即効性が高い床吹空調。各々の空調の特徴を生かし、局所的に好みに応じた環境を形成することができます。省エネルギー性が高く、立体空間と時間軸(3D+1D)を考慮し、働く人の好みに応じた環境をつくることができる、ABW+eを促進する新技術です。

・CFD連携PMV制御
温度などの計測値と天気予報の情報を元に、少し先の室内環境をシミュレーション(CFD※1)により予測し、快適性指標(PMV値※2)が快適範囲内となるよう温熱制御を行います。快適な室内環境を最小エネルギーで実現することを目指す制御技術です。

・ABW+e支援ツール「5Cビジュアライザー」
本館内に設置した各種センサの測定値から、Concentration(集中)、Comfort(快適)、Communication(交流)、Creation(創造)、Clean(清浄)の5つの視点で環境をビジュアル化する仕組みです。好みに合わせて働く場所を選ぶことを支援するツールです。

・変風量コアンダ空調
空気が天井を這うように流れるコアンダ効果を利用し、ダクトレスで空気を運ぶ、省エネ・省資源の空調方式です。自律式風速一定器具「Air-Soarer®」※3を使うことで、少風量でも室内のすみずみに空調された清浄な空気を届ける優れた換気効率を有します。「Air-Soarer®」は風量が減少しても風速を自動的に一定に保つ吹出口です。

※1 CFD:Computational Fluid Dynamics
※2 PMV:Predicted Mean Vote 人間が感じる温冷感の指標
※3 ㈱三菱地所設計、新菱冷熱工業㈱、芝浦工業大学、協立エアテック㈱の共同開発品です。空気調和に関する世界最大の国際学会、米国暖房冷凍空調学会の“2023 ASHRAE Technology Awards新築オフィスビル部門”で世界最優秀賞を受賞した「新菱神城ビル」に導入した技術です。

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