グループ各社の取り組み

新菱グループ各社は、事業を通じて社会の課題解決に向けて取り組み、社会の持続的発展に携わっています。

国内での取り組み

新菱テクニカルサービス株式会社

建物のライフサイクルマネジメントに貢献

新菱テクニカルサービスは、LCM事業(建築設備の保守管理業務)を通じて、積極的な予防保全や省エネチューニングによる負荷軽減で「機器の長寿命化」を実現しています。 特にチラーは、一般的に管理コストが高いため、運転データ解析を基にして、冷水量や圧縮機の起動・停止タイミングなどの調整について独自の設定を行うことで、エネルギー効率を最適化するとともに、高額な薬品洗浄や圧縮機などの部材交換周期の長期化を実現しています。 メンテナンスコスト削減や省エネルギー化につながり、建物のライフサイクルを伸ばすことにより環境負荷の軽減にも貢献しています。

保全作業を行っているモジュールチラー

大栄電気株式会社

災害に強い電気設備

大栄電気は、建物の改修や新設工事に併せて、自然災害や緊急事態に強い電気設備の施工を行っています。また、お客様との事業継続計画(BCP)に関する打ち合わせでは、BCP電源と系統連携やBCP発電機との稼働時間等の確認を行っています。災害時においても、安全かつ安定した電力供給を実現することにより、社会やお客様のニーズに貢献しています。

発電設備の点検

株式会社城口研究所

新部門発足による生産性向上に向けた取り組み

城口研究所は、「誇りと働きがいのある魅力的な会社」の実現に向けて、2024年3月に「オペレーション推進部」を発足させました。施工現場業務の分業化や残業時間・派遣社員の管理、技術トラブル対応、施工品質検査などについて、3つの課で取り組んでいます。施工現場が本格稼働する前の図面検討、品質検査への現場管理ソフトの活用など、生産性向上に向けた取り組みを積極的に進めていきます。

現場管理ソフトを活用した品質検査

新菱工業株式会社

浸水被害を防止し、生活環境の保全に貢献する

長崎県諫早地区「天狗鼻排水機場」に設置した排水ポンプは、2024年7月に発生した線状降水帯による河川の増水・氾濫の際に、浸水被害を防ぐ重要な役割を果たしました。現在、この排水機場において原動機の更新工事を行っていますが、エンジンの冷却方式を変更することで、ポンプ起動の信頼性の向上につながり、地域住民の方々の安全と、質の高い生活環境の継続に貢献しています。

原動機更新工事中の天狗鼻排水機場

株式会社グローバルスタッフ

ICT技術を活用した現場支援

新菱グループの施工現場で、ICT技術を活用したさまざまな支援を行っています。特に、既存施設の3次元空間モデルの作成業務は、3次元レーザースキャナーを用いた設備や建物の立体的な点群データの取得からデータ処理、モデル作成までをワンストップで対応しています。作成されたモデルは、機器の更新計画や大型機器の搬入計画、安全管理などに活用され、現場業務の効率化に貢献しています。今後も、施工現場のDX化と連携し、施工現場のより良い働き方を支えていきます。

モデリング作業

株式会社秋田キャッスルホテル

サステナブルな職場環境を目指して

秋田キャッスルホテルでは、従業員が心身ともに健康で、性別にかかわらず、いきいきと働き続けることができる職場環境を実現するための取り組みを展開しています。これまで、健康セミナーや従業員食堂での健康増進企画、ワークライフバランス実現のための研修会、女性管理職と一般女性社員との意見交換会などを行いました。その成果として、2024年は「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」「えるぼし(2つ星)」を取得しました。これからも、一人ひとりが活躍できる会社を目指し、お客様へより良いサービスとして還元できるよう努めていきます。

女性管理職との意見交換会

海外での取り組み

タイ新菱

再開発への熱供給施設による貢献

タイ新菱では、最先端テクノロジーの活用によって、人々の生活の質向上と持続的な経済発展を可能にするスマートシティの機能を備えたインフラ整備を手掛けています。近年、著しく開発が進んでいる「One Bangkok」は、バンコク市中心街の総面積約173,000㎡(東京ドーム約3.7個分)を超え、オフィスビル5棟、ホテル5棟、高級コンドミニアム3棟などで構成されるバンコク中心部最大の複合開発です。当社はこれらの施設への熱供給設備を施工し、高効率チラーの導入により、温室効果ガス排出量とエネルギー消費量の削減に寄与しています。今後も、タイの人々のためのインフラ整備に貢献していきます。

高効率チラー熱源設備

新菱インドネシア

生産性向上を図るBIM活用

2020年にBIM推進部門を立ち上げて以来、BIMを活用できる人材育成に力を入れており、定期的に新菱冷熱のデジタルトランスフォーメーション推進本部とBIM活用について意見交換を実施しています。最近の取り組みとして、ジャカルタ地下鉄駅舎2期工事(CP203工区)では、3D-CADで作成した3次元モデルを用いてお客様へのプレゼンおよび設備の空間調整、材料数量の拾い出しの効率化を図っています。今後もBIM活用による生産性向上を促進するため、引き続き社内で技術の水平展開を実施し、会社全体として生産性を向上できるよう努めます。

新菱冷熱本社との意見交換会議

新菱ベトナム

計画からメンテナンスまで包括したBIM 活用

新菱ベトナムは、多くの現場において、設計図・施工図・竣工図をBIMモデルで作成しています。竣工後もBIM竣工図を設備の維持管理に使用することにより、メンテナンスの効率化を図り、運営面でも無駄を省くことに貢献しています。現在施工中の新工場の設備工事では、搬送動力の低減を図るため、大口径の配管やダクトを選定し、また、高効率空調機の導入や排熱利用を行うなど、環境負荷に配慮した施工を進めています。水資源を節約するドライクーラーの導入等を通じて、省エネ・省資源を実施しており、BIMを活用することで現場の生産性向上にもつなげています。

現場でのBIMモデルによる施工検討

STS香港

社会インフラの整備に貢献

STS香港は、建築設備のリニューアルや保守管理サービスの専門会社として、ビル空調のほか、さまざまな交通インフラ設備のメンテナンスや更新工事を担当しています。香港国際空港ターミナルの設備メンテナンスや、香港と中国本土を結ぶ中国高速鉄道の駅舎と鉄道トンネル内の建築設備のメンテナンスなどを行っています。特に線路内の設備は、鉄道の営業終了後の限られた時間で、綿密な計画のもと実施しており、香港の重要な交通インフラの維持に貢献しています。

高速鉄道軌道内の設備点検