エネルギー
省エネルギー・CO2排出量低減と地域BCPへの貢献
清原スマートエネルギーセンター
補機エリア
(排ガスボイラ・ラジエター廻り)
ガスコージェネレーション
- 竣工
- 2020年2月
- 延床面積
-
20,104㎡
(エネルギーセンター) - 建物用途
- エネルギープラント
- 所在地
- 栃木県
この施設について
清原スマートエネルギーセンターは、清原工業団地内の3社の7事業所(カルビー株式会社3事業所・キヤノン株式会社3事業所・久光製薬株式会社1事業所)へ、電力と熱を効率的に供給することで、事業所単独では実現できない規模の環境負荷低減を図る熱電供給施設です。
この施設は、栃木県の「とちぎエネルギー戦略」および宇都宮市の「宇都宮市地球温暖化対策実行計画」にもとづいた国内初の「工場間一体省エネルギー事業」であり、34,620kWの発電能力を有しています。これは、一般家庭の消費電力に換算すれば約1万世帯に相当する規模になります。
季節や時間帯によって需要が異なる各事業所の電力と熱の情報をエネルギーマネジメントシステムに集約し、大規模エネルギーセンター1カ所から電力と熱を効率的に供給することができます。これにより約20%の省エネルギーを図り、CO2排出量を約20%削減する、環境配慮型のシステムである点が大きな特長です。また、停電時には、ガスエンジン発電機を自立起動させ運転を再開する機能を有するため、各事業者へ電力と熱の供給が可能となり、事業継続性の高いシステムとなっています。
新菱冷熱の仕事:プラント設備・建築・土木
本事業は3万kW級の大型ガスエンジンを主体とした熱電併給のエネルギーセンターです。新菱冷熱は、その建設工事と熱導管・自営線の敷設工事を、EPCC(設計・調達・建設・試運転)契約で担当しました。
設計においては、デジタル技術を積極的に活用しました。たとえばCFD*技術を使い、エンジン・ラジエター廻りの環境シミュレーションを行って温熱環境の最適化を計画したり、3D-CADを用いて建設後のメンテナンス動線を具体的に確認したりするなど、これらの検討をもとに発電機棟の効率的な設計を行いました。ほかにも、3Dスキャン技術を活用し、需要家敷地を効率的に計測することにも、デジタル技術を役立てています。
施工段階では、実績の豊富な地域冷暖房で培った技術・ノウハウを駆使し、大型ガスエンジンを中心としたプラント施設と、約8,000mに及ぶ地域導管・自営線敷設を施工しました。また、既存工場を稼働させたまま無停電切り替えを行うなど、お客様に配慮した施工を心がけました。
エネルギー供給の運用においては、新菱冷熱の総合情報システム「sc-brain」による、機械制御と省エネルギーを実現するエネルギーマネジメントを実現しています。sc-brainは、負荷を予測しガスエンジンの運転台数を制御するほか、温水需要家の制御弁開度から供給量の「不足」「安定」「過剰」を判断し、温水供給の最適制御も行っています。
* CFD:Computational Fluid Dynamics(数値流体シミュレーション)。室内の温度分布や気流の流れをシミュレーションする技術。