室圧制御システム
シミュレーション

シミュレーションで的確な室圧制御を実現

医薬品や半導体などの生産施設では、高度な製造環境を作るために、室内圧力 (室圧) を制御する技術が用いられ、近年ではそのニーズが益々高まっています。

室圧制御技術とは、製造室の室圧を高くして、室外から汚染物質が流入するのを防いだり、逆に室圧を低くすることで、室内で発生する汚染物質の室外流出を防いだりする技術です。この技術によって、製造室の清浄度を確保したり、その周囲室を汚染物質から隔離したりすることが可能です。

最近の医薬品や半導体などの生産施設では、確実に目標の室圧に維持することが求められるだけでなく、多数の部屋や通路など、広域を対象にした室圧制御システムへのニーズが高まっています。

当社は、これらのニーズに応えるため、室圧制御システムをシミュレーションするプログラムを開発しました。

主な特長

  • 室圧制御システムは、室圧制御用ダンパ (PCD) や定風量装置 (CAV) などの機器類で構成されます。シミュレーションを実施することにより、システムを構成する機器類の動作特性を設計段階から検証できます。
  • ダクト網の入力が容易なユーザーインターフェース (図1) が用意されているため、作図感覚のマウス操作で、条件変更に迅速に対応できます。
  • 短時間で計算が終了し、シミュレーション結果が表示されます。

図1 ダクト網の入力画面
図1 ダクト網の入力画面

  1. 設計業務支援
    • 複雑な室圧制御システムでも、設計段階でケーススタディーを実施し、適確な室圧制御を実現できます。
    • 制御機器の動作を高精度に予測し、安定性の高い室圧制御システムの実施設計を短時間で行うことが可能です。
  2. 施工業務支援
    • シミュレーション結果をもとに、試運転調整を短時間で行うことができます。

計算例

室圧目標値12.5Paの部屋において扉を開閉した際の室圧変動のシミュレーションの例です。 図2は、給気側は給気ファンと定風量装置 (CAV) 、排気側は排気ファンと室圧制御用ダンパにより構成された室圧制御システムの計算モデルを示しています。

図2 計算モデル
図2 計算モデル

図3は、室圧目標値12.5Paの部屋において扉を開閉した際の室圧変動を示しており、シミュレーションによる結果と実験結果とを比較しています。計算と実験の室圧変動値はほぼ一致しており、室圧変動の様子がシミュレーションで確認できます。

図3 扉の開閉による室圧変動
図3 扉の開閉による室圧変動

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