数値流体
シミュレーション技術
計画、設計、施工のすべてのプロセスにおいて、
水・空気の流れ、温度分布、化学物質濃度分布などの
環境予測を行う技術
建築設備やプラント設備などを設計・施工する前に、流体現象をシミュレーションによって予測します。数値流体シミュレーション (CFD) によって環境改善や設備の機能確保、コストダウンに寄与します。
主な特長
- 高性能HPCサーバーを使用し、大規模かつ詳細な解析を行います。
- シミュレーションによる環境予測を大規模実験室や実際の建物を使った実測などによって検証し、常に予測精度の向上を図っています。
- 設備システムに対する専門知識を活かし、目的に応じた解析を短時間で行います。
- 多彩なグラフィックによって、流体の動きを動的に把握できます。
- 露点温度表示や移動発生源解析および液状粒子解析技術を開発し、解析機能の拡張を図りました。
- 温熱環境だけでなく、省エネルギー検討やドライルーム内の露点温度解析、オイルミスト対策検討など、特殊なCFD解析も可能です。
都市環境
温熱快適性評価
氷蓄熱の解氷
リニューアルへの提案
リニューアル工事でも、改修前後の比較シミュレーションを行うことで、改修の効果を施工前に検証でき、より良い空調システムを提案することができます。
CFD省エネ提案ツール
CFD解析技術を空調システムの省エネルギー検討に応用
省エネ提案ツール
空調システムの冷暖房能力は、空間内の熱負荷集計値により設計されます。しかし、実際には空間全体を均等に空調する必要はなく、人がいる空間や製品を製作するライン近傍は設計条件通りの温度が必要ですが、それ以外の空間では温度条件を満足しなくてもよい場合があります。 そこで、全体空調のロスを省き、最小のエネルギーで設計品質を満足させることができる「CFD省エネ提案ツール」を開発しました。「CFD省エネ提案ツール」により、最小の風量で任意のエリアの温度、湿度、清浄度等を満足することができます。
内容
- 室内形状と熱負荷条件を入力することにより、吹出温度や風量の最小値と空調エネルギーを予測します。
- 室内の温度や気流分布を可視化して、提案した空調方式での室内環境を評価します。
- 事務室や工場など、幅広い建物用途に適用可能です。
工事の解析事例
某工場 (45m×25m×4.8mH)の生産ラインの目標温度22.5℃について、異なる空調方式での省エネルギーに関する比較事例を示します。
吹出 | 吸込 | 風量[m3/h] | ||
ケース1 | 原設計 | 天井 | 天井 | 35,400 |
---|---|---|---|---|
ケース2 | 変更案 | 壁上部 | 壁上部 | 32,800 |
温度分布の解析結果
上図は解析結果で、鉛直温度分布を色で示しています。緑色が目標値 (22.5℃) 付近を示し、黄・赤色はそれより高温であることを表しています。
ケース1では天井付近から床面まで上下方向の温度がほぼ均一になっています。
ケース2では天井近傍の温度が高く上下方向に温度成層ができていますが、生産ライン近傍は目標温度になっています。
搬送動力及び年間運転費の解析結果
具体例
- クリーンルームの気流・温度分布シミュレーション
- ホール内の温熱シミュレーション
- 建物からの排煙拡散シミュレーション
- オフィス内の気流・温度分布シミュレーション
- 水槽内の流動シミュレーション
- 汚泥消化槽内の撹拌シミュレーション
- リニューアル前後の温熱環境シミュレーション
実施例
音楽ホールの気流・温度分布
食品工場の省エネルギー検討例
切削工場のオイルミスト濃度分布
ドライルームの露点温度分布