腐食研究・
腐食診断技術
配備システムでの腐食事故防止や長寿命化のための腐食研究と診断技術
配管、ダクト、機器など、空気調和衛生設備においてはさまざまな金属材料が使用されていますが、これらの金属材料が腐食し、流体の漏洩、管路の閉塞、機器の損傷などを引き起こすことがあります。腐食の発生および進行はその材料が置かれる環境に大きく左右され、こうしたトラブルを防止するために、さまざまな環境における材料の腐食特性に関する研究と腐食診断の実施による実施工物件の評価・診断を行い、設備の安全性向上と長寿命化を図ります。
腐食研究
白ガス管局部腐食
亜鉛めっき鋼は、空調設備の配管材料として最も使用され、通常の使用環境下では耐食性においても実績のある材料です。しかし、まれに激しい局部腐食の進行により短期間で貫通・漏水に至ることがあります。これは亜鉛と鋼の極性逆転によるものとされ、これまで多数の研究・報告が行われていますが、原因の解明には至っていません。当社はこの腐食現象のメカニズムを解明し、同様の腐食によるトラブルを未然に防ぐための研究を行っています。
腐食診断
工業用ビデオスコープによる配管内部の観察や超音波肉厚測定、抜管調査といった一般的な調査以外に、電気化学測定や極値統計処理を取り入れた調査を実施しています。電気化学測定では、電位・電流・分極抵抗等を測定することで、金属の劣化状況をより正確に把握します。極値統計処理では、限られた範囲の調査だけでは判断できない局部腐食の最大侵食深さを予測することで、安全側の評価を行います。さらに、蛍光X線分析装置による腐食生成物の分析結果や循環水の温度・水質・流速などの情報を加味することで、「材料」と「環境」の組み合わせを考慮した診断結果 (配管設備の劣化要因、余寿命など) を提供します。また、調査により得られた知見をデータベース化し、使用環境に応じた材料の選択と施工、維持管理方法の提案に役立てます。
工業用ビデオスコープ
各種水質分析装置
電気化学測定装置
蛍光X線分析装置
デジタルマイクロスコープ
走査型電子顕微鏡