広域多棟管理
システム
広域・多棟間をネットワークで結び、
エネルギーの集中管理・遠隔制御を実現
本システムは、広域にわたる事業所、工場、店舗等の施設をインターネットで接続し、本社などの一拠点からすべての施設の設備データを監視するとともに、遠隔からの制御を実現するシステムです。
最大の特長は、世界標準となっている設備向け通信プロトコル※1を利用している点で、従来はメーカー主導型であった設備システムをオーナー主導型に変えることで、運用コストを削減します。また、中央監視を持たず専門の管理者が常駐していない中小規模のビルでも、遠隔から監視・制御を行うことにより徹底した設備の運転監視・エネルギー管理が可能です。
図1 広域多棟管理システム
当社の7施設による広域多棟管理システムを構築し、エネルギーデータ収集機能、パソコンやスマートフォンによる「見える化」機能、および空調 (パッケージエアコン) ・照明の遠隔制御機能等について実証実験を行いました。
図2 新菱冷熱7施設のエネルギーの見える化
図3 スマートフォンによる見える化、および遠隔制御 (パッケージエアコン、照明)
主な特長
- 世界標準の通信プロトコル (IEEE1888※2、BACnet/WS※3、oBIX※4) を使用した「オープンシステム」であるため、特定メーカーに限定されず、システムの拡張性・柔軟性に優れるとともに、運用コストを削減することができます。
- エネルギー使用量の一元管理、「見える化」が可能です。
- 中央監視盤を持たない中小規模のビルでも、遠隔監視・制御 (操作) を行うことができます。
- 異なるメーカーのサブシステムを統合し、一元的に管理することができます。
- 当社の中央監視システム「sc-brain」に、BACnet/WS通信インターフェースを搭載。オープン規格による広域多棟管理システムとの接続が可能です。
- 当社のエネルギーマネジメントサービス「SEMS」との結合により、クラウド型のサービス提供も可能です。
- インターネットの汎用技術を利用しているため、既存のOAシステムとの連携が容易です。
- ※1 通信プロトコル
- ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行う上で、相互に決められた約束事。通信手順、通信規約などと呼ばれることもある。
- ※2 IEEE1888
- スマートグリッド向けアプリケーションプロトコルであり、2011年にIEEE (米国電気電子学会) により標準認定された。東大グリーンICTプロジェクト (主査:江崎浩教授) が策定した通信プロトコルFIAP (Facility Information Access Protocol) が元となっている。
- ※3 BACnet/WS
- webサービス技術と設備システムとの整合性を高めるためにASHRAE (米国暖房冷凍空調学会) で標準化された通信プロトコル。
- ※4 oBIX
- Open Building Information Exchangeの略。OASISで策定されたBAとOAを接続するための通信プロトコル。