TECH 03
医療施設・病院
~院内の換気をシミュレーションで再現~
新型コロナウイルス感染症の拡大により、病院・医療施設内の安全な空気環境を保持することは喫緊の課題となり、中でも換気は、感染発生リスクを抑えることにつながるとされ、室内の空気を入れ替えて密閉空間の状態を改善することが推奨されています。
換気の見直しをするためには、現状の換気の状態を知る必要があります。
当社の数値流体シミュレーション(CFD)技術は、現状の換気の状態を再現し、院内空気の「よどみ」を見つけて風の流れを明らかにすることができるため、より安定的に空気を入れ替えるリニューアル計画を立てることが可能となります。
数値流体シミュレーション(CFD)技術
数値流体シミュレーション(CFD)は、気流や温度分布などをシミュレーションで再現する技術で、空気環境をわかりやすく見える化できます。
<特長>
- 高性能サーバーマシンを用いた解析精度は誤差±5~10%以内
- 実環境を高精度に再現
- エアロゾル粒子の濃度分布もシミュレーション可能
- 病原体などの空気中での挙動も再現
- リニューアル前後の環境改善効果の比較も可能
待合エリアの気流を数値流体シミュレーションで高精度に再現
感染症対策のトータルプランニング
CFDのほかにも、感染症対策装置や技術を用いたトータルプランニングのご提案も可能です。
1. 診察室用簡易プッシュプル装置(クリーンパーティション)
診察室にクリーンパーティションを設置し、患者から発生する病原体を気流で捕捉し、HEPAフィルターで除去します。
<特長>
- 病原体曝露量を5%以下に抑制
- 医師の感染リスク低減
- 工事不要で既設の病院にも導入可能
2. 問診室感染対策技術
医師と患者をスクリーンで遮断し、医師側に清浄な空気を供給しながら病原体を室外に排出・除去する感染対策空調システムです。
<特長>
- 安全性の高い問診が可能
- 通常時の外来でも感染対策効果のある問診室として使用可能
3. 陰圧室用漏洩防止装置「SEPAREA®」
「SEPAREA®(セパレア)」は、病室と廊下の間に、0.3m/s以下の低風速で水平な一方向流の空気を流すことで、病原体の流出入を防ぐ感染対策技術です。
<特長>
- 病室と廊下の間に前室が設置しにくいケースでも、病室への病原体の流出入を防止
- 清浄エリアの病原体濃度を汚染エリアの1/10以下に維持
空気の出入りをコントロールして安全性を保つ「室圧制御システム」
室圧制御システムとは、空気の出入りをコントロールして汚染物質の流入出を防ぐ技術です。当社では、複雑な室圧制御システムを的確につくるためのシミュレーションプログラムも開発しています。
病理検査室の安全性を高める「ホルムアルデヒド除去システム」
人体に有害なホルムアルデヒドを空気の流れで排出して安全性を高めます。排出したホルムアルデヒドは装置で除去処理します。
大型の装置・ダクト、大風量のファンを必要としないため、広い作業空間を確保し、また作業者間の良好なコミュニケーション環境を実現します。