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2018.2.9BIMを活用した品質管理システムを開発
~品質管理の労務を大幅削減~

当社は、BIMを活用した品質管理システム (以下、本システム) を開発しました (図-1) 。既存の2次元図面によるシステムとは異なり、BIMモデルの構成部材一つひとつに品質管理データを直接記録することにより、検査漏れなどの人為的ミスをなくし、品質管理業務の大幅な削減を図ります。

従来、日々の工事進捗管理や検査などの品質管理は「手作業」で行われていました。つまり、印刷した図面に目視や測定、検査などによる管理データを記入し、必要な個所の写真撮影をします。そして現場事務所でパソコンにデータを入力し、大量の写真を管理データに関連付ける作業を行っていました。そのため、作業量が膨大となり人為的ミスが発生しやすく、また日々の進捗を定量的にリアルタイムで把握、共有することが困難でした。
近年、タブレットPCを利用した2次元図面による施工管理ツールが利用されるようになり、これらの課題が改善されるようになってきました。しかし、2次元図面への“書き込み”であるため、管理データを部材や系統と直接関連付けて記録することはできません。

本システムでは、タブレットPCにBIMモデルを保存して現場に携帯し、画面上でBIMモデルをタップすることにより、目視確認や検査などの品質管理データを記録します。
各部材は、品質管理項目を属性データとして持っているため、選択した部材に関する管理項目が瞬時に一覧表示されます (図-2) 。そのため、管理項目の周知徹底が図られ、確認・検査漏れを防止することができます。オペレータは表示された管理項目について確認・検査し、その結果を入力します。あわせて写真やテキストデータ、フリーハンドメモを部材に直接記録することもできます。
品質管理データは、部材の属性データとしてクラウドサーバに保存され、BIMデータとして一元管理されるため、品質管理データに基づく進捗率や不具合個所などを、現場事務所などのパソコンでリアルタイムに把握、共有することができるとともに、検査帳票を自動で作成することができます。その結果、品質管理の労務を大幅に削減することができます。
工事進捗や検査完了日などのデータは、工程管理システムに取り込まれ、その後の工程見直しに利用されます。さらに、リアルタイムの進捗データにより、資機材のジャストインタイム納品を実現することも可能となります。また、機器の検査記録データは、竣工引き渡し後のファシリティマネジメントで活用することができます。

2018年から現場でのフィールドテストを開始し、2年後をめどに当社の全現場での運用を計画しています。


  • 図-1 品質管理システム概要

  • 図-2 部材をタップすると検査項目が一覧表示される

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