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2019.12.4研究開発報告会「つくばフォーラム2019」を開催
~国内外14拠点をつなぎ200名以上が参加、グループ会社も技術発表~
当社は、2019年12月2日、当社の中央研究所※1において、研究開発報告会「つくばフォーラム2019」を開催しました。
つくばフォーラムは、研究開発力および研究開発成果の事業還元力強化のため、2010年から毎年開催している報告会です。新菱グループの経営陣が一同に会し、経営的視点から研究開発成果を確認し、今後の方向性を議論する場として継続しています。10回目の開催となる今回は、国内外14拠点をWeb会議システムでつなぎ、200名以上が参加。新菱冷熱だけでなく、グループ会社が開発中の技術についても報告・議論しました。
本報告会では、研究開発成果の報告、実験施設の見学、ならびに経営陣からの講評が行われました。経営陣と研究者との活発な意見交換をとおして相互理解が深まり、研究開発の方向性を確認することができたほか、開発技術の新菱グループでの展開方法や事業化に向けた課題についても活発な議論を行いました。
<主な報告内容>
- 再生可能エネルギー利用技術の開発
近年、温室効果ガス排出量の削減を目的に再生可能エネルギーの利用が急激に拡大し、さまざまな課題が顕在化してきています。再生可能エネルギーの高効率利用技術の構築を目指した、水素やバイオマスに関する研究開発成果について報告しました。 - 防食関連技術の開発
サステナブル社会の実現のためには、建築設備配管の腐食対策は重要な課題です。この課題を解決するために「さびにくい水」を用いた防食施工技術を開発しました。本報告会では、水道水環境における配管材料の腐食速度の予測に関する基礎的な研究成果について報告しました。 - 熱源最適制御システムの開発
大規模施設の熱源システムの運用や管理は、運転監視員の経験や過去の実績に基づいて行われていますが、少子高齢化による人手不足、技術継承などの課題があります。その解決策として、熱源システムの運転を自動で最適化し、運用や管理の合理化を実現する熱源最適制御システムの開発を行っています。本報告会では、既設物件への適用に向けた事前検証結果について報告しました。 - スマート養蚕システムの開発
遺伝子組換えカイコは、医薬品・医療用素材、化粧品素材、新素材など、さまざまな製品の開発に利用されており、新菱冷熱は、2017年度から農林水産省委託研究事業「蚕業革命による新産業創出プロジェクト」に参画し、医薬品原料生産に対応した生産システムの開発を行っています。本報告会では、ICT技術の導入によってカイコの成育状態をセンシングする技術について報告しました。 - 先行待機型ポンプの無注水化技術の開発
近年、局地的な大雨や震災による断水時でも、迅速な排水運転を可能にする排水ポンプが求められています。これを解決するために排水開始までの所要時間を短縮できる先行待機型ポンプの無注水化技術の開発を行っています。本報告会では、モデル試験の結果や今後の事業展開について報告しました。
当社・新菱グループは、革新的な環境創造技術と高度な施工技術により、顧客満足度の向上に努めております。また、最適な建築設備のライフサイクルマネジメントを通して、サステナブル社会の実現と地球環境の保全に貢献していきます。
※1当社の中央研究所は、あらゆる分野の空間創造に関わる基礎研究と開発を行っている研究所です。1970年に東京都品川区に開設した「技術研究所」が前身となり、1990年には「中央研究所」に改称し、茨城県つくば市に移転しました。開所30周年となる2020年をめどに、次世代環境技術の研究開発拠点として再構築を図る予定です。
研究開発報告会「つくばフォーラム2019」