”蚕業 (さんぎょう) 革命”をもたらす
スマート養蚕技術
スマート
養蚕システム
「スマート養蚕システム」とは
「スマート養蚕システム」は養蚕家の高齢化に伴い、失われようとしている日本の高度な飼育管理技術、養蚕家のノウハウを工業的に再現した、バイオ医薬の原材料生産などに活用いただける新たな物質生産系システムです。

カイコ繭(まゆ)は繊維産業の代表的なバイオ素材であり、日本の養蚕業はかつて国内の一大産業でしたが、海外での安価な繭生産に加え、化学繊維という便利で使い勝手の良い製品が生まれたことで、国産繭の競争力は著しく低下しています。SDGs採択等によりサステナビリティの取組が活発化している昨今、当社ではバイオ素材であるカイコ繭に注目し、繊維の他、食品分野や化粧品、医療・医薬品分野への活用を模索しています。
オープンラボ
「まゆラボ」

これまでに開発したMayuFacture®、MayuClear®、自動繭切開装置などを集約し、幼虫飼育から繭の収穫・処理までの一連の工程を効率化した飼育施設です。各室はクリーンルーム仕様になっており、飼育環境を高い精度でコントロールできるため、医薬品、化粧品や食品など幅広い用途を想定したカイコの飼育が可能です。遺伝子組換えカイコの飼育にも対応した仕様になっています。
- 最大33,600頭/回の大量飼育が可能
(MayuFacture®<飼育棚12段>) - 毛羽取り、繭切開の自動化による作業の効率化
(MayuClear®、自動繭切開装置1台ずつ設置) - 清浄環境下(ISOクラス7)での飼育が可能
(飼育室,上蔟室,収繭・繭切り室で構成) - 遺伝子組換えカイコの飼育可能
(研究第二種使用、P1A)
「スマート養蚕システム」の
高密度にカイコを飼育することができる大量飼育装置
の開発
大量飼育装置「MayuFacture®」の魅力
- 省スペースで大量飼育可能(最大67,200頭/回<飼育棚24段>)
- 高度な空調制御による成育環境の構築
- 自動回転棚による飼育作業の省力化と効率化


当社は、バイオ医薬原料生産工場への提供を目的とし、遺伝子組換えカイコの飼育設備 (ハード) と飼育管理技術 (ソフト) からなる「スマート養蚕システム」の開発に取り組んできました。
その結果、飼育作業の省力化、成育に適した環境の構築、カイコの成育速度を揃えること (斉一化) を可能とする大量飼育システムの開発に成功しました。
多数の試験飼育により、従来の養蚕と比べ「スマート養蚕システム」では大量のカイコを効率的に飼育できることを実証しています。
カイコ大量飼育装置「MayuFacture®(マユファクチャー)」は、装置内部に飼育用の棚を多段に配置することにより省スペースを実現した、当社独自の装置です。棚はモータにより垂直方向に回転移動できる機構となっており、任意の棚を自動的に作業者の位置まで移動させることで作業の効率化を図ることができます。
また、装置内部では、空調空気を上部から下方に向かって吹くことに加えて棚を定期的に回転させることにより、各棚をカイコの成育に適した均一な温湿度に制御します。
カイコの成長に好適な環境を提供飼育ケージの開発

飼育ケージの魅力
- 飼育管理作業のしやすい構造
- 2層構造による成育環境の最適化
- ケージ内清浄度の確保が容易な構造
飼育ケージは大量飼育装置内の各棚上に配置します。カイコは微生物などによって病気にかかりやすいため、ガンマ線滅菌した紙製の飼育ケージを開発し、飼育終了後には廃棄できるディスポーザブル型とすることで、衛生的な飼育を可能にしました。
さらにケージは2層構造となっており、カイコが排泄した糞や飼料の残渣はネットを通じて下層のトレイに落下するため、上層の飼育環境が悪化することを防ぎます。また,トレイを飼育ケージから取り外し、堆積した糞を捨てられるため、飼育管理作業がしやすい構造になっています。
繭の毛羽を効率的に除去自動毛羽取り装置の再現製作
新菱冷熱の自動毛羽取り装置の特徴
- ボール蔟※からの脱繭機構
- 粉塵飛散防止機能(HEPAフィルタ付)を有する
- 処理能力は約200枚/時間
繭をつくらせる飼育用具の一つで、ボール紙製で格子状に区画されたもの

自動毛羽取り装置「MayuClear®(マユクリア)」は繭の周囲の細かい毛羽を取り除く装置です。養蚕業では一般的な機械ですが,現在は製造しておらず新品の入手は不可能となっています。当社が再現製作しており、写真はクリーンルーム内での使用を考慮し粉塵飛散防止機能を追加したものとなります。
豊富なノウハウを提供新菱冷熱の飼育管理技術

飼育管理技術の魅力
- カイコの生態と成育に適した環境条件
- 効率的な飼育管理手順
豊富なノウハウに基づく飼育管理技術(飼育マニュアル、飼育管理支援など)
「スマート養蚕システム」
の
導入について

当社はより飼育管理作業を効率化するために、粉じん飛散防止ゴミ箱ブース、人工飼料カッター、繭カッター等周辺資機材もご提供します。
粉じん飛散防止ゴミ箱ブース
FFU付きで、ブース内を負圧にして粉塵飛散を防止する
人工飼料カッター
桑の粉を混ぜた人工飼料を同じ形に切り分けるカッターを開発
繭カッター
繭を切開して蛹を取り出すための繭カッターを開発
導入実例
- 群馬県の株式会社免疫生物研究所(パイロットプラント)へ大量飼育装置を4台納入(2016年)
- 農水省委託研究「蚕業革命による新産業創出プロジェクト」を共同受託
- 養蚕機械「自動毛羽(けば)取り装置 MayuClear®」のケニア向け仕様を開発
環境エンジニアリング
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