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2015.3.20新菱冷熱工業 (株)  中央研究所活動報告会「つくばフォーラム2015」を開催
~経営的視点から研究開発状況を確認~

当社は、1970年に技術研究所を東京都品川区に設置し、空調を中心とした環境分野の研究開発に取り組み始めました。そして1990年には茨城県つくば市に技術研究所を移設するとともに中央研究所と改称し、環境に関するさまざまな基礎研究と応用技術の開発を行ってきました。その中央研究所において2010年から毎年、新菱グループ全体の技術力強化を目的に、「中央研究所活動報告会―つくばフォーラム」を開催してきました。

この報告会の趣旨は、新菱冷熱と関連会社の経営陣が一同に会し、経営的視点から中央研究所の研究テーマやコミットメントを確認することであり、営業、企画、設計、施工部門および関連会社の参加者により研究の方向性や優位性、市場性、実用化の時期、事業展開の方法について議論が行われます。

6回目の開催となる今回は、2015年3月19日に経営陣、研究員から約60名が参加し、新たに着手した研究開発テーマおよび開発済みのシステムの改良についての報告と、コミットメントの確認が行われました。各テーマの報告後のディスカッションでは、今後の研究・開発の進め方に対して経営陣と研究員による活発な意見交換が行われました。

<報告内容>

  1. 3次元計測技術の開発
    施工段階のBIM (※1) ツールとして、3次元レーザースキャナを利用した設備の自動モデル化技術の開発、および改良型レーザー墨出しシステムの開発
  2. ホルムアルデヒド (※2) 対策技術の開発
    既に開発済みの病理検査室向けホルムアルデヒド除去、気流制御技術を解剖分野へ応用した、「除去性能」・「省エネルギー性」に優れたシステムの開発
  3. たばこ臭気除去システムの開発
    省エネ型分煙システムを実現し、高い除去性能を有するシンプルな乾式除去技術の開発
  4. CFD (※3) を用いた流体騒音の解析に関する研究
    流体による騒音の問題を未然に防止するための管路系CFD解析技術の確立、および騒音振動発生を予測する技術の研究
  5. 防食施工技術の開発
    設備配管の長寿命化に重要な腐食対策において、局部腐食 (※4) の発生リスクを事前に低減させる施工技術の開発
  6. コミッショニング (※5) ツールの開発
    エネルギー消費実態の把握、機器やシステムの性能検証、省エネ提案などを行うための支援ツールの開発

以上のほか、オイルミスト (※6) 対策技術「ミストマイスター」や、性能を向上させた風量測定装置「新型WINSPEC」、組換え生物による有用物質生産技術などについても報告されました。また会議の後半では各研究テーマの実験施設での詳細説明が行われ、相互理解が深まり、研究開発の方向性が確認されました。

  • ※1 BIM (Building Information Modeling) : コンピュータ上に作成した3Dの建物モデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建物のデータベースを、活用する建築の新しいワークフロー。設計、施工から維持管理に至るあらゆる工程で活用が可能。
  • ※2 ホルムアルデヒド : 病院、医薬品研究所などの病理検査室・解剖室で使用するホルマリンから発生する化学物質の一つ。
    家具や建材の接着剤や塗料などにも含まれている。発がん性物質。
  • ※3 CFD (Computational Fluid Dynamics) : 数値流体解析シミュレーション
  • ※4 局部腐食 : 全面腐食の対義語。腐食が局部的に進行し、孔状やみぞ状に腐食する場合をいう。全面腐食よりも予測が難しく、進行速度が速い。
    重大な腐食障害の原因になることが多い。
  • ※5 コミッショニング : 建築設備が常に最適な状態に保たれるように、性能を診断・検証し、改善方法を提示すること。
  • ※6 オイルミスト : 空気中に浮遊する微粒子化した油のこと。健康障害になることが多い。


中央研究所活動報告会~つくばフォーラム2015~の様子

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